Kling本体でAIショートドラマを90秒作るための生成単位とコスト確認
AIショートドラマを90秒・1080pで作る前提で、Kling本体のVideo 3.0、Avatar 2.0、Lip Syncを使う場合の生成単位、月間本数、1本あたりの円換算コストを確認した記録。

AIショートドラマを作るとき、生成サービスの月額だけを見ても制作量は読めません。90秒を1080pで作るなら、1秒あたりのcredits、1回の生成秒数、リップシンクを使う秒数、作り直し分まで分けて見る必要があります。
この検討では、最初にAdobe Firefly Pro PlusのKling 2.5 Turboを候補に入れました。ただ、Kling本体を使う前提に変えると、5秒カット固定で組む必要は薄くなります。Kling VIDEO 3.0は最大15秒まで生成できるため、90秒動画は15秒×6本、10秒×9本、短い挿入カットを混ぜる構成で考え直します。
制作条件をKling本体前提へ変更する#
最初の比較では、Adobe Firefly内のKling 2.5 Turboを強く見ていた。Firefly内のKling 2.5 Turboは5秒固定で扱うため、90秒を18カットに分ける前提になっていた。
Kling本体を使う場合、この前提を外せる。KlingのVIDEO 3.0は、公式ガイドで最大15秒の生成に対応している。APIの対応表でも、複数の動画モデルで3〜15秒の範囲が示されている。
この記事では、次の条件へ変更する。
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| 契約 | Kling本体のPremier直契約 |
| 月間credits | 8,000 credits |
| 通常更新価格 | $80.96/月 |
| 円換算 | 1ドル = 156.875円 |
| 月額円換算 | 約12,700円/月 |
| 最終出力 | 1080p |
| 動画尺 | 90秒 |
| 音声 | 外部TTSで別生成 |
| 動画生成 | Kling VIDEO 3.0のImage-to-Video中心 |
| リップシンク | 必要な会話秒数だけKling Lip Syncへ回す |
会話中の問題は、サービス名だけで候補を並べ、どのモデルを何秒使うかを固定しきれていない点にあった。ここではKling本体の中でも、VIDEO 3.0、Avatar 2.0、Lip Syncを分ける。
5秒固定で考えなくてよい理由#
Kling VIDEO 3.0を使う場合、料金は秒数単位で増える。1080p・音声なしは8 credits/秒。5秒、10秒、15秒のどれを使っても、90秒全体の消費creditsは同じになる。
| 生成単位 | 1回の消費 | 90秒に必要な本数 | 90秒合計 |
|---|---|---|---|
| 5秒 | 40 credits | 18本 | 720 credits |
| 10秒 | 80 credits | 9本 | 720 credits |
| 15秒 | 120 credits | 6本 | 720 credits |
5秒カットに固定すると、カット数が18本まで増える。細かい切り替えや短い反応には向くが、管理するプロンプトと素材が増える。
15秒カットなら6本で90秒になる。長いカットは、状況説明、街の移動、人物が歩く場面、緊張が続く場面などに使いやすい。失敗したときは120 creditsが消えるため、難しい演技や手の動きがある場面は短めに切る方が扱いやすい。
実制作では、1本の90秒動画をすべて同じ秒数へそろえる必要もない。
| 場面 | 使う尺の目安 |
|---|---|
| 冒頭の引き | 5〜8秒 |
| 時代背景の街並み | 10〜15秒 |
| 主人公の反応 | 5〜8秒 |
| 説明を聞かせる場面 | 10〜15秒 |
| 会話の一言 | 5〜10秒 |
| 余韻 | 8〜12秒 |
秒単価は同じなので、使う尺は費用よりも成功率で決める。崩れやすい場面を短くし、安定しやすい場面を長く取る。
Kling Premierで90秒を作る場合の本数#
Kling Premierは月8,000 credits。通常更新価格$80.96を、この記事では約12,700円として計算する。
VIDEO 3.0の1080p・音声なしは8 credits/秒。90秒なら720 credits。
90秒 × 8 credits = 720 credits
8,000 credits ÷ 720 credits = 11本、余り80 credits
12,700円 ÷ 11本 = 約1,155円/本
5秒カットで18本にしても、15秒カットで6本にしても、合計90秒なら720 creditsは変わらない。
| 作り方 | 90秒の消費 | 月8,000 creditsの完成本数 | 月額を完成本数で割った単価 |
|---|---|---|---|
| VIDEO 3.0 1080p、音声なし | 720 credits | 11本 | 約1,155円/本 |
| VIDEO 3.0 1080p、音声なし+30秒だけLip Sync | 750 credits | 10本 | 約1,270円/本 |
| VIDEO 3.0 1080p、音声なし+60秒だけLip Sync | 780 credits | 10本 | 約1,270円/本 |
| VIDEO 3.0 1080p、音声なし+90秒全部Lip Sync | 810 credits | 9本 | 約1,411円/本 |
| VIDEO 3.0 720p、音声なし | 540 credits | 14本 | 約907円/本 |
| VIDEO 3.0 1080p、ネイティブ音声あり | 1,080 credits | 7本 | 約1,814円/本 |
1080p前提なら、現実的な基準は11本/月。会話カットへリップシンクを足すと、10本または9本になる。
ここで30秒Lip Syncと60秒Lip Syncの完成単価が同じになっているのは、整数本数で割っているため。消費creditsだけで見れば、30秒Lip Syncの方が軽い。
| 追加Lip Sync秒数 | 90秒1本の消費 | 消費credits按分の目安 |
|---|---|---|
| 0秒 | 720 credits | 約1,143円相当 |
| 30秒 | 750 credits | 約1,191円相当 |
| 60秒 | 780 credits | 約1,239円相当 |
| 90秒 | 810 credits | 約1,286円相当 |
実際の月間完成本数は、作り直し回数で下がる。90秒1本を720 creditsで作る計算は、全カットが一発で通った場合の数字。
| 作り直し率 | 1本あたりの想定消費 | 月8,000 creditsの完成本数 |
|---|---|---|
| 作り直しなし | 720 credits | 11本 |
| 25%分を作り直し | 900 credits | 8本 |
| 50%分を作り直し | 1,080 credits | 7本 |
| 100%分を作り直し | 1,440 credits | 5本 |
この表を見ると、Premierで本数を出すには、失敗しやすいカットを短くし、安定したカットを長くする運用が効く。
喋る場面はLip SyncとAvatar 2.0を分けて使う#
Kling本体にはLip Syncがある。公式ガイドでは、ローカルのvoiceoverまたはsingingファイルをアップロードするか、Text to Speechで作った音声を使い、Klingで生成したキャラクター動画へ口の動きを同期できると説明されている。
Lip Syncの費用は、公式ガイド上で5秒動画が5 credits、10秒動画が10 credits。1秒あたり1 creditで考えられる。
30秒だけ喋る → 30 credits追加
60秒だけ喋る → 60 credits追加
90秒全部喋る → 90 credits追加
AIショートドラマでは、全尺を口パクへ回す必要は薄い。歴史系やドキュメンタリー風なら、人物が喋るカット、街並み、資料風の再現、後ろ姿、手元、影の動きなどを混ぜられる。
喋る人物が主役の動画では、Kling Avatar 2.0も候補になる。Avatar 2.0は、人物画像、音声、演技の指示を入れて、喋るアバター動画を作る機能。StandardとProfessionalのモードがあり、公式ガイドではProfessionalの計算例として8 credits/秒が示されている。複数の解説ではStandard 4 credits/秒、Professional 8 credits/秒として扱われている。
この条件で計算すると、Avatar 2.0 Standardは90秒で360 credits。
90秒 × 4 credits = 360 credits
8,000 credits ÷ 360 credits = 22本、余り80 credits
12,700円 ÷ 22本 = 約577円/本
ただし、Avatar 2.0は人物が話す動画に寄る。江戸の街、群衆、建物、事件再現、画面演出を含むショートドラマ全体を作る場合は、VIDEO 3.0と併用する。
Kling本体で組む90秒の制作フロー#

Kling本体を使う場合、制作フローは次の形が扱いやすい。
- 固定主人公2人の基準画像を決める
- 必要ならFLUXなどでLoRAを作る
- 90秒の台本を作る
- 外部TTSで90秒音声を作る
- 音声を意味単位で3〜15秒へ分ける
- 各場面の静止画を作る
- Kling VIDEO 3.0で3〜15秒の動画にする
- 喋る場面だけLip SyncまたはAvatar 2.0へ回す
- CapCutなどで音声、字幕、BGM、効果音を合わせる
- YouTube Shorts、TikTok、Reels用に書き出す
前提をKling本体へ寄せると、「5秒を18本作る」より「音声のまとまりで尺を決める」方が自然になる。
たとえば90秒を次のように切れる。
| ブロック | 内容 | 尺 |
|---|---|---|
| 1 | 冒頭の異変、タイトル前の引き | 8秒 |
| 2 | 主人公が状況を見る | 10秒 |
| 3 | 時代背景の街並み | 15秒 |
| 4 | 事件や違和感の提示 | 12秒 |
| 5 | 主人公の短い会話 | 8秒 |
| 6 | 解説ナレーションに合わせる再現 | 15秒 |
| 7 | 結末へ向かう場面 | 12秒 |
| 8 | 余韻と問いかけ | 10秒 |
| 合計 | 90秒 |
この構成なら、8本の動画生成で90秒になる。費用は秒単価なので、合計720 credits。5秒固定の18本より管理が軽い。
ただし、1回の生成が長いほど失敗時の損失は大きい。人物の手、顔、複雑な動き、文字、複数人物の絡みがある場面は、5〜8秒に分ける方が安全。
5秒カットを使う場面は残る#
Kling本体を使う場合でも、5秒カットを残す場面はある。短いカットの方が向く場面は多い。
| 5秒前後が向く場面 | 理由 |
|---|---|
| 表情の反応 | 顔の崩れを短く抑えやすい |
| 手元や小物 | 破綻した場合の作り直しcreditsが少ない |
| 会話の一言 | Lip Syncを必要秒数だけ使いやすい |
| 怖さを出す一瞬 | ショート動画のテンポに合う |
| つなぎのBロール | ナレーションの間を埋めやすい |
長い説明や移動は10〜15秒。表情、会話、一瞬の異変は5〜8秒。Kling本体では、この混ぜ方が使える。
他サービス比較は補助情報へ回す#
今回の運用をKling本体へ寄せるなら、Adobe Firefly Pro Plusの5秒無制限、Google Flow、Vidu、OpenArtなどは補助候補になる。
| サービス | 今回の記事での扱い |
|---|---|
| Adobe Firefly Pro Plus | Kling 2.5 Turboの5秒量産には使える。Kling本体前提では主役から外す |
| Google AI Pro + Flow | 月額が安い。固定キャラとリップシンク運用は別途確認 |
| Vidu API | 秒単価は低い。Kling本体と同じ構成で比較する補助候補 |
| OpenArt Pro | 複数モデル確認用。90秒1080pの本命計算ではKling本体を優先 |
| Krea / Hailuo | Relaxや無制限枠のある候補。月額と待ち時間を見て判断 |
会話中に問題になった「候補漏れ」は、Kling本体へ寄せた後も注意点として残る。サービス単位で止めず、使うモデル、秒単価、生成秒数、リップシンク秒数まで分けて確認する。
この記事で採用する実運用の計算#
Kling Premier直契約で、90秒のAIショートドラマを作る場合の基準を置く。
| 運用 | 内容 | 月間本数の目安 |
|---|---|---|
| 会話少なめ | VIDEO 3.0 1080p音声なし、Lip Syncなし | 11本 |
| 会話あり | VIDEO 3.0 1080p音声なし、Lip Sync 30〜60秒 | 10本 |
| 会話多め | VIDEO 3.0 1080p音声なし、Lip Sync 90秒 | 9本 |
| 喋る人物中心 | Avatar 2.0 Standard中心 | 22本 |
| 作り直し多め | VIDEO 3.0 1080p音声なし、50%作り直し | 7本 |
この数字は、Kling Premierの8,000 creditsを使い切る前提。追加購入や上位プランは入れていない。
制作上の見方は単純になる。
- 90秒を映像生成だけで作ると720 credits
- 口パクは喋る秒数だけ足す
- 5秒、10秒、15秒で分けても、合計秒数が90秒なら映像生成creditsは同じ
- 長いカットは管理が軽いが、失敗したときの損失が大きい
- 短いカットは管理が増えるが、失敗の損失を小さくできる
Kling本体を使うなら、5秒固定で記事全体を組む必要はない。90秒の音声を先に作り、意味単位で3〜15秒に分ける。喋る場面だけLip SyncまたはAvatar 2.0へ回す。この形で、生成コストと作業量を同時に見られる。
参考#
- Kling VIDEO 3.0モデル利用ガイド
- Kling VIDEO 3.0 Model Guide
- Kling API Video capability map
- Kling VIDEO 3.0 Credit Cost Guide
- Kling Lip Sync Guide
- Kling Lip Sync機能ページ
- Kling Avatar 2.0 User Guide
※ 記事内の図は内容を整理するために作成した概念図です。各社の公式資料や実際の製品画面ではありません。


