技術ブログは収益化しにくい?Web制作・AIブログで使える収益モデルを考える
技術ブログの収益化をAdSense、アフィリエイト、自作コンテンツ、相談・案件に分けて考えます。AdSenseについては誤っていたクリック報酬の説明を訂正し、現在のインプレッションベースの仕組みに修正しました。

ブログを収益化する方法を整理した記事では、AdSense、アフィリエイト、有料コンテンツ、スポンサーという大きな選択肢を先に確認した。
そのあと実際にゆまラボをAdSenseへ申請し、サイト所有権の確認から審査待ちまで進めている。
ここまで進めると、別の疑問が出てくる。
技術ブログは、そもそも収益化と相性がいいのか。
Web制作やAIの記事は検索されるテーマが多い。ただ、ニュースサイトのように毎日大量の人が見るわけでもない。エラーコードを検索して1記事だけ読んで帰る人もいる。プログラミングの記事を読んだからといって、その場で何かを買うとも限らない。
一方で、レンタルサーバー、ドメイン、AIサービス、開発ツール、SaaS、書籍、PC周辺機器のように、技術記事と商品・サービスが自然につながる場面もある。
「技術ブログは収益化しにくい」で終わらせるより、記事の種類ごとに収益の入口を分けて考えた方が分かりやすい。

現在のAdSenseの支払い方式#
Googleは2023年11月、AdSenseのパブリッシャーへの支払いを、従来の主にクリック単位からインプレッション単位へ移行すると発表しました。
現在のGoogle AdSenseヘルプでは、コンテンツ向けAdSenseのパブリッシャーへの支払いは、広告主の入札に基づく有効インプレッション単価(eCPM)で行われると説明されています。
そのため、このページでは以降、現在の仕組みに合わせて次の前提で考えます。
広告主側
→ クリック、コンバージョン、インプレッションなどを使った入札・課金方式がある
AdSenseを掲載するサイト運営者側
→ コンテンツ向けAdSenseはインプレッションベースのeCPMで支払われる
クリックという指標そのものがなくなったわけではありません。
ただ、技術ブログのAdSense収益を考える際に、「読者が広告をクリックして初めて収益になる」という前提で考えるのは、現在の仕組みとは合いません。
GoogleのFAQでは、この変更はAdSense for Contentが対象で、AdSense for Searchには影響しないことも案内されています。
AdSenseは始めやすいが、広告インプレッションの影響を受ける#
Google AdSenseは、記事ごとに商品を選ばなくてもサイトへ広告を出せる。
現在のコンテンツ向けAdSenseでは、広告主の入札をもとにしたeCPMでパブリッシャーへの支払いが行われる。サイト側で見ると、広告が表示される機会と、その広告枠に対してどの程度の入札が行われるかが収益に関係する。
AdSenseにはRPMという指標がある。
RPM = 推定収益 ÷ ページビュー数 × 1000
GoogleはRPMを、1,000ページビューや1,000インプレッションあたりの推定収益を比較するための指標として案内している。
ここは少し注意が必要で、RPMは「この式でAdSenseの支払額が決まる」という意味の料金計算式ではない。
実際の支払いはeCPMを基準に行われ、RPMは得られた推定収益をページビューなどで割って比較しやすくした値になる。
ページビューが増えれば広告を表示できる機会も増えやすい。ただし、PVが2倍になれば必ず収益も2倍になるとは限らない。広告の表示回数、広告枠、訪問者、広告主の入札などによって収益は変わる。
技術ブログだから特別に不利という話ではない。ただ、月間PVがまだ小さい時期に、AdSenseだけで大きな金額を作ろうとすると難しく感じやすい。
ゆまラボが最初にAdSenseを選んだ理由は、記事の内容を収益目的へ書き換えずに試せるから。
現在の記事は、Cloudflareのビルドエラー、Astroの設定、AIサービスの調査などが中心になっている。そこへ無理に商品紹介を差し込まなくても、サイト全体で広告表示を試せる。
審査に通るか、広告がどの程度表示されるか、インプレッションやRPMがどう動くか。このあたりは実測してから判断する。
今の段階では、AdSenseを「これだけで稼ぐ仕組み」より、サイト全体へ置ける最初の収益レイヤーとして見ている。
アフィリエイトは記事によって相性の差が大きい#
技術ブログで収益化を考えると、アフィリエイトはかなり使いやすそうに見える。
A8.netは、アフィリエイトを成果報酬型広告として説明している。読者が広告リンクから商品購入やサービス申込みを行い、成果条件を満たすと報酬が発生する仕組みになる。
AdSenseより記事との結び付きが強い。
例えば、
AstroをCloudflareへ公開する記事
→ ドメイン、ホスティング、開発環境
AI開発ツールを使う記事
→ AIサービス、SaaS、開発ツール
PC環境を作る記事
→ キーボード、モニター、周辺機器
技術書を読んだ記事
→ 書籍
のような形なら、読者が次に必要とするものと紹介先が自然につながる。
A8.netの現在の掲載カテゴリにも「ドメイン」が含まれている。物販ではAmazonアソシエイトのような仕組みもあり、2026年9月時点の公式料率表では本が3%、PC・家電が2%など、商品カテゴリごとに紹介料率が設定されている。
ただ、技術ブログなら何でもアフィリエイトへつながるわけではない。
「Cloudflareのビルドでエラーが出た」という記事を読んでいる人は、エラーを直したいだけかもしれない。そこで関係の薄いレンタルサーバーを紹介しても、記事の目的から外れる。
一方、「Astroでブログを始めるために何を選ぶか」「AIサービスを比較してどれを使うか」という記事では、読者がサービス選定の途中にいる。
同じPVでも、検索意図が違う。
技術ブログのアフィリエイトは、アクセス数より先に「その記事を読んでいる人が何を決めようとしているか」を見る必要がある。
使っていないサービスを紹介しない#
ここはゆまラボでは先に決めておきたい。
収益化だけを考えれば、高い報酬が設定されているサービスを探して、その案件に合わせて記事を書く方法もある。
ゆまラボではやらない。
このサイトは、実際に試した作業や、気になって調べた技術を記録する形で記事を増やしている。使っていないサービスを「おすすめ」として並べ始めると、サイト全体の基準が変わる。
アフィリエイトを使う場合も、
実際に使った
↓
記事にする理由がある
↓
読者にも選択肢として紹介できる
↓
利用できるアフィリエイトがあればリンクを付ける
という順番にしたい。
順番を逆にして、
報酬が高い案件を見つける
↓
その案件用の記事を書く
にはしない。
これは収益効率だけを見ると遠回りかもしれない。ただ、技術記事は設定や料金が変わったときに更新も必要になる。実際に使っていないものまで追い続けるのは運用負荷も大きい。
AIサービスは特に変更が早い。
料金、モデル名、利用上限、対応機能が変わることもある。紹介するなら、公開時点の公式情報を確認し、記事を放置しない前提になる。
技術ブログは「自分で作ったもの」と相性がいい#
広告とアフィリエイト以外では、自作コンテンツがある。
技術ブログの場合、記事を書いている途中でそのまま販売候補が生まれることがある。
ゆまラボで考えるなら、
- Astroのスターターテンプレート
- Cloudflare Workers向けの設定済み構成
- 記事サイト用のtaxonomy実装
- ビルド時のリンク切れチェック
- Markdown記事の検証スクリプト
- AIを使った記事生成や開発フローのテンプレート
- ある程度まとまったサンプルプロジェクト
など。
単体の記事ではコード断片を無料で載せていても、複数の設定をまとめて「このまま動かせる状態」にしたものは別の価値を持つ。
ここはアフィリエイトと違い、広告主の案件有無に左右されない。
価格も自分で決められる。
ただし、販売したら終わりではない。
AstroやCloudflareの仕様が変われば更新が必要になる。質問対応が発生するかもしれない。テンプレートならREADMEや導入手順も必要になる。
無料記事をそのまま有料に切り替えるつもりはない。記事を書く中で、繰り返し使える形まで作り込んだものが出てきたら、その時点で別の提供方法を考える。
現在のゆまラボでは、まだここを急がなくていい。
技術記事は問い合わせや仕事につながることもある#
もう一つ、技術ブログ特有の収益モデルとして考えやすいのが問い合わせ。
これは記事を直接販売するわけではない。
例えば、
Astroでサイトを構築した記録
Cloudflare Workersで公開した記録
SQLの性能問題を調べた記録
AIを開発作業へ組み込んだ記録
のような記事が増えると、「この作業を頼める人なのか」という判断材料になる。
問い合わせが入り、技術相談やサイト制作、実装支援の仕事につながれば、ブログは営業資料に近い役割も持つ。
PVが何十万も必要なモデルではない。
読者の数が少なくても、内容と依頼内容が合えば成立する。
ただ、ゆまラボは現時点で受託案件を集めるためのサイトにはしていない。お問い合わせフォームはあるが、サービスメニューや料金表を置いているわけでもない。
将来、サイト制作や技術相談を受けるなら、広告やアフィリエイトとは別の収益モデルとして追加できる。
技術ブログの場合、この入口は無視しなくてもよさそうだ。
Web制作の記事は「選ぶ場面」にアフィリエイトを置きやすい#
ゆまラボのテーマで見ると、Web制作系の記事はアフィリエイトと組み合わせやすい。
特に、
- レンタルサーバーを選ぶ
- ドメインを取得する
- CMSやホスティングを比較する
- 開発環境を作る
- PCや周辺機器を選ぶ
といった記事。
読者が「何を使うか」を決める記事だから。
一方、既存のAstro+Cloudflare連載では、Cloudflare Workersの無料運用を前提にした記事も多い。そこで無理に別の有料ホスティングを勧めると、記事の内容と矛盾する。
この場合は紹介しない方が自然。
収益化を始めると、記事の中にリンクを置ける場所ばかり探したくなるが、入れない判断も必要になる。
技術ブログでは、その方が後から記事を読み返したときにも内容がぶれにくい。
AIブログは収益化できるが、更新コストを先に見る#
AIカテゴリも収益化の候補になる。
AIサービス、API、開発支援ツール、SaaSなどは有料サービスが多く、読者も料金や機能を比較していることがある。
ただし、アフィリエイトプログラムが存在するかはサービスごとに違う。常設されているとは限らない。
さらに、AIの記事は情報の寿命が短い。
モデル名が変わる。料金体系が変わる。無料枠が変わる。昨日までベータだった機能が正式提供になったり、その逆もある。
アフィリエイトリンクを付けるなら、リンク切れだけでなく本文の仕様も更新する必要がある。
収益が発生する可能性と、記事を維持する作業を一緒に見る。
AIブログでは特にこの考え方が必要になる。
収益モデルを記事の種類で分けてみる#
技術ブログ全体を一つの収益モデルへ寄せる必要はない。
記事の種類で分けると、今のゆまラボでは次のように考えやすい。
| 記事の種類 | 合いそうな収益モデル | 理由 |
|---|---|---|
| エラー解決・設定確認 | AdSense | 読者は解決方法を探しており、商品紹介が不要なことが多い |
| サービス比較・導入記事 | アフィリエイト | 読者が選択・申込みを検討している |
| 実際に使ったツールの記事 | アフィリエイト | 使用経験と紹介先を結び付けやすい |
| コード・テンプレート系 | 自作コンテンツ | 再利用できる形まで作れば商品化できる |
| 実装記録・技術解説 | 問い合わせ・案件 | 技術力や対応範囲の判断材料になる |
| サイト全体 | AdSense | 個別記事ごとに商品を用意しなくても広告を出せる |

この表で見ると、「技術ブログは収益化しにくい」というより、AdSenseだけで全部を回そうとすると厳しく見えやすい。
エラー記事にアフィリエイトを無理に入れず、比較記事には紹介できるサービスがあるかを見る。自作できるものが増えたら、自分の商品を考える。
記事ごとに役割を変えた方が技術ブログには合う。
ゆまラボはAdSenseから始める#
現在のゆまラボでは、まずAdSenseを試している。
サイト全体で広告型収益がどの程度成立するのかを見る。
その後、実際に利用したサービスやツールの記事が増え、そのサービスに公式またはASPのアフィリエイトプログラムがあれば導入を検討する。
例えば、
レンタルサーバー
ドメイン
AIサービス
開発ツール
SaaS
書籍
PC周辺機器
など。
全部を紹介するのではなく、実際の記事とつながるものだけにする。
さらに先で、Astroのテンプレートや実装ノウハウを「記事を読む」以外の形へまとめられるようになれば、自作コンテンツも候補になる。
問い合わせや技術支援を受ける形もある。
この順番なら、収益化のためにサイトの方向を変えなくて済む。
AdSenseの結果が出る前から「技術ブログでは稼げない」と決める必要もないし、逆にアフィリエイトリンクを大量に置いて収益化したつもりになる必要もない。
まずは今のサイトのまま広告を試す。
紹介できるものが実際に出てきたらアフィリエイトを足す。
作ったもの自体に価値が出てきたら、別の提供方法を考える。
ゆまラボでは、このくらいの速度で進める方が記事の内容と収益化を分離しやすい。
アフィリエイトを使う場合は表示も必要になる。消費者庁は、アフィリエイトサイトについて「アフィリエイト広告を利用しています」などの表示があっても、文字サイズや色を含め、一般の読者から広告であることが明瞭に分かる必要があるとしている。
収益化を追加しても、「実際に試した内容を記録する」という基準は変えない。
ここを変えずに、どの収益モデルがゆまラボに残るのかを実際の数字で見ていく。


